宿の紹介

五の香を感じる宿 浅香荘は、温泉地としても知られる静かな環境の中で、「香り」をテーマに宿づくりを行う旅館です。館内には、料理の香り、湯の香り、木の香り、茶の香り、庭の香りという五つの「香」が設えられており、その名の通り五感に響く設計が随所に感じられます。

客室は和の落ち着きを基調にしながら、モダンな感性も取り入れた空間が広がっています。和モダンツインなど新しく改装されたタイプでは、素材の手触りや色の調和にもこだわりが見え、窓外に望む自然の表情とともに静かに時を刻むことができます。畳や木、障子などが醸す和の気配が、心をゆるやかにほぐしてくれます。

温泉は源泉掛け流しで提供され、清らかな湯が心身を包み込みます。湯とともに漂う温泉特有の香りは、滞在者に「ここが非日常の場である」という深い安心感を与えます。貸切風呂にも対応しており、ゆったりと二人だけの湯浴みを愉しむことも可能です。夜には静寂の中、湯気が立ち上る浴槽で星空を眺めるひとときが、特別な記憶として刻まれます。

料理には「香り」にこだわる演出がなされており、季節ごとの厳選素材を使った和食膳が、一皿ごと香り立つように提供されます。例えば、出汁の芳しい香り、焼き物の香ばしさ、蒸し物のやわらかな香りなどが重なり、箸を進めるごとに味覚だけでなく香覚も刺激されます。夕食とともに地元の酒や飲み物が心ゆくまで楽しめる“オールインクルーシブ”スタイルを採用しており、宿泊者はお財布を気にせず滞在を満喫できます。

館内には専用のラウンジスペースが設けられており、湯上がりや食後にゆるりと過ごせるくつろぎの場となっています。木の暖かさと柔らかな照明に包まれた室内では、読書をしたり、静かに打ち合わせをしたり、旅先の記憶を書き留めたり、と滞在時間の自由度が高められています。また、庭園を望む窓辺では、朝の光や夕暮れの陰影を眺めながら、旅の流れをゆっくりと実感できます。

滞在の時間が長くなるほど、浅香荘が目指す「香を感じる宿」というテーマの深みが伝わってきます。客室、温泉、料理、館内空間――それぞれが香りを通じて旅人の心に静かに響き、日常を離れたゆったりとした時間を紡いでくれます。自然と調和した上質な和の宿として、記憶に残る宿泊体験を提供してくれる宿泊先です。